烏日記

日常的な記録や嗜好品

たばこレビュー「松風」 伝説の国分葉が復活!キセル用刻みだけど手巻きにしてもメチャウマ!!

たばこ趣味なので今回はレビュー、というか紹介。

軽く紹介

 JTアイメックスから新しく発売された新銘柄刻み「松風」。一応JTアイメックスは伝統的な刻みたばこの「小粋」、在来種松川葉のみ使用した「小粋 松川刻み」、バージニア葉のみ使用した紙巻きライクな「いろは」が発売してキセル刻みのラインナップに最近は力を入れてる。柘製作所もキセルに力をいれててそっちの銘柄も含めると現在7種類もある。

刻みの種類なんてつい最近まで2種類しかなかったのに...

く...空前の煙管ブーム?

  ここ最近のたばこ税の増税の流れで少量のたばこ葉しか使わないキセルが注目されてるらしく、JTも柘製作所も宣伝でゴリ押ししてるのが最近のたばこ界隈の流れ。あと道具を使うたばこジャンルなので趣味性も高くライトユーザーに「趣味としてのたばこ」の提案の戦略もあると思う。

 ここは伝統的な在来種のみをブレンドして髪の毛よりも細いカット技術が使われる「小粋」を進めたいのだけれども在来種の味わいは独特な癖がつよく(畳のような香りや藁のような苦味)が強く、紙巻きで主流なバージニアブレンドアメリカンブレンドに慣れ親しんでる紙巻きユーザーには勧めにくいのと、10g600円という値段の高さが敷居を高くしていた(あと在来種は生産も少ないので希少)。

柘製作所も紙巻きライクな刻みを出し始めたものの、在来種たばこは法律上JTが独占してるので海外のたばこ葉しか使えず「和の雰囲気」を手軽に味わえるのはなかなかなかった。

 

そこに「紙巻きライクで、かつ和の雰囲気を感じる」刻みたばこ「松風」が登場したという流れ。バージニア葉を主体に在来種の国分葉をブレンドすることで誰でも親しみやすいブレンドを実現!

 まあ日本の紙巻きのブレンドでも「ドメスティックブレンド」っていうのがあって在来種を味のアクセントにしたブレンドがあって、銘柄で言うと「セブンスター、エコー、ハイライト」がそれに当たるんだけどそれの刻みバージョンといっても差し支えないだろう。というかそこをメインに吸ってる人をターゲットにした製品だと思う。

 

まあうんちくはやめてレビューしましょ。

味、喫味

 からみはすごくめんどくさがりな性格ので、手巻きで吸います。というか松風はドメスティックブレンドの手巻きタバコ銘柄の側面も強いたばこだと思う。キセルがめんどくさい人も安心。

たばこ葉の香りはバージニアのあまあまなみつっぽ香りとバージニアのとろろ昆布っぽい香りが広がる。おそらく8割か9割はバージニアで構成されてる。まだ和の香りは感じられない。

フィルターなし太巻きで巻いて火を付けると、バージニア葉の甘い香りとしっかりした煙、そこに緑茶というか玄米茶のような香り味が乗ってくる。口当たりは軽いもののタールはそれなりにあり濃い。クールスモーキングをしないと味が崩れてきつく感じられてしまうがそこは在来種たばこの特徴の一つでもあるから繊細さも兼ね備えてる。まさに和のたばこである。

まあ簡単に言うと「緑茶、玄米茶」に近い味香り。

 

一応公式も「松風」の名前の由来は茶道用語から引用してるみたいなのでブランドイメージ通りの味。国分葉自体も「お茶」の香りらしく、江戸時代には国分葉を吸ってると独特な香りから周りが気づかれるらしい。

日本人と緑茶は切っても来れない嗜好品であるので、江戸時代当時はかなりの人気があり「国分葉」は日本のたばこの中の最高級葉の扱いを受けていたらしく、国分葉派生品種が全国各地に現れた。現代のイメージとしては「キューバの葉巻」と同義だろうか。

 それが現代に復活し100%ではないもののこうやって伝説を味わえるのはとても感慨深い。

総評

バージニアの甘みが在来種の独特な味をうまく隠してるので万人向けしやすいと思う。ドメスティックブレンドの紙巻きを吸ってる人はすぐキセルや手巻きに移行できるであろう。特にハイライトが好きな人は松風の虜になると思う。

 

 からみはもう松風の虜になった。からみはシャグやパイプたばこは吸いきれず余っちゃうんだけど、松風は買って一ヶ月で半分は吸いきった。アメスピも好きだっただけど1週間ぐらいで飽きてしまうのでそれと比べると長い期間吸ってる。もうこれが常喫になってる。

 葉巻が好きな烏だが、これを吸うと「日本人」を身にしみて感じ心の底からおいしいと思わせてくれる。そういうたばこが「松風」だ。

余談

 いままでJTくんは在来種を使ったたばこ製品を出してたけど、セブンスター達磨とセブンスター松風の反応が良かったから松風の開発をしたのかなあと思ったり思わなかったり。

 あとJTアイメックスが出してる葉巻「TOKI」は賛否両論分かれる。僕も吸ったけど中南米葉巻特有のウッディで土感のある味と在来種の繊細な味が相性悪く全体のバランスとしてイマイチだった。というかそもそも、葉巻愛好家は力強い味わいを求める傾向があるからミスマッチだと思った(小並感)。どうせ出すなら、パイプ銘柄に在来種をブレンドしたほうが受けいいと思うんだけどなあ。

 

 長く耕作されてるとは思われてなかった伝説の国分葉が復活したということはJTくんも隠し玉で「秦野葉」を作ってる可能性ありそう。まあでも、戦後の阿波葉も秦野葉も「充填葉」っていうかさ増し用のたばこ葉の扱い受けてたし、現代に残って紙巻きにも使われる在来種が「松川葉」「達磨葉」なのを考えるとよほどの個性がない限り在来種復活は難しいのかもしれない。